現場ではフジタ道路の
全員がリーダー
2004年入社道路新設・修繕工事 / 施工管理
公共工事は地域の方全員がお客さま
現在担当している現場は東京の下町だ。東京都建設局から発注を受け、暫定供用中の道路を都道として開通させるまでの工程に携わっている。住宅が多いエリアだけに、周辺住民との円滑なコミュニケーションは欠かせない。
「車の出し入れのルートや仮設トイレの位置など、さまざまなご要望があります。極力お応えできるように努力する一方で、時には状況を説明してご理解いただくことも必要です」
こうした中で、協力会社のスタッフを含め現場全体を動かしていくことが、業務の柱となっている。作業における準備物の確認やガス管や水道管といった危険ポイントの共有のほか、住民からの要望を伝えたり、逆に現場で何か要望を受けた場合には逐一報告するよう指示したり、工事が円滑に進むよう全体をディレクションすることが求められる。毎朝、現場全員で行う朝礼前に、各協力会社の世話役とともにミーティングを実施し、共有事項を徹底している。
「公共工事は地域の方全員がお客さまです。顔を合わせたらあいさつをするなど、しっかりとした対応がスムーズに工事を進めるために大切ですし、会社の印象を良くすることにもつながります」
自分の目でしっかりと見る
「この仕事を長くやっていると、図面を見ただけで工事の予想図が見えてくるようになります」
こう語る彼は、公共工事を中心にキャリアを積んできた。現場の責任者を務めることも多いが、中にはうまくいかなかった案件もある。
「工期も予算も厳しく40人ほどスタッフを集めたのですが、全員を見ることができず人員のロスや細かいミスが続出して、かえって費用がかかってしまったのです」
このように工期や予算面で厳しい仕事もあるが、それをフォローして会社の利益を出すのも工事部の役割だと彼は考えている。そのためにはクオリティの高い施工が不可欠だ。
「今は現場でも、早く帰ろう、ちゃんと休もうという意識が浸透してきています。当社は4週7休など、業界では比較的進んでいる方ですが、効率的に仕事をこなしていく意味でも、けっして協力会社任せにせず、若手もベテランも自分の目でしっかり見ていかなければなりません」
楽しい作業所を目指して
この現場のメンバーはベテラン2人と若手2人の計4人。自らが持つノウハウを後輩たちに伝えるのも彼にとって大切な役割だ。
「朝礼が終わり現場へ行けば、この制服を着ている人間は全員がリーダーです。それぞれ個性はあると思いますが、リーダーらしい振る舞いを、ある意味では『演じ』なければなりません」
年齢・経験に関係なく、協力会社に指示すべきことはしっかりと指示する。自身も若手時代は難しかったが、経験を積み知識を蓄えるにつれて、徐々にできるようになったという。
「若手には現場のムードメーカーになってほしいと思っています。我々の作業所では『楽しい作業所づくり』を目指して、時には冗談を言うなど積極的に現場を盛り上げていこうとしています」
もちろん、仕事をしていれば苦しいこともある。しかし、その中で達成感を味わうことができる。
「どんな現場でも成功体験が蓄積されていきますし、いざという時に助けてくれるなじみの協力会社も増えていきます。そうして年々仕事が楽しくなってくるのです」
苦しみながら、楽しみながら、彼はこれからも社内外の仲間とともに歩んでいく。