アスファルト系舗装

アスファルト系舗装

アスファルトの粘着力によって骨材を結合させたアスファルト混合物を表層の材料として使用した舗装で、
簡易舗装から高速道路・空港まで幅広く用いられます。

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一般アスファルト舗装

アスファルトを結合材として砕石、砂、石粉を固めた物(アスファルト混合物)を使用した舗装です。
コンクリート舗装に比べて耐久性は劣りますが、安価で施工後の養生期間が短く、補修も容易であることから、空港滑走路・高速道路から歩道まで幅広い範囲で適用されています。

一般アスファルト舗装

特徴

  • 施工が比較的容易で安価です
  • 打継ぎ部に目地が不要で走行性に優れています
  • アスファルト混合物層を重ねて多層とすることで交通量に応じた構造とすることができます
  • 施工後の養生期間が短く、交通開放が早くできます
  • 維持補修が容易です
  • 表層に用いるアスファルト混合物の種類により多様な機能を付与できます

用途

  • 重交通で走行性が要求される高速道路、空港滑走路・誘導路、幹線道路など
  • 中交通で維持管理の容易さが求められる一般道路、工場内道路など
  • 軽交通で施工の容易さ、安価さが求められる駐車場、歩道、園路など

砕石マスチック舗装

粗骨材とフィラー(石粉)量が多く、粗骨材の間隙をアスファルトモルタルで充填した不連続(ギャップ型)粒度のアスファルト混合物を使用した舗装です。
粗骨材のかみ合わせ効果とアスファルトモルタルの充填効果により、耐流動性、耐摩耗性、水密性に優れた舗装です。

砕石マスチック舗装

特徴

  • 粗骨材のかみ合わせによる塑性変形抵抗性に優れている
  • アスファルトモルタル充填による摩耗抵抗性に優れている
  • 繊維質補強材による繰返し曲げに対する耐久性に優れている
  • 空隙の小さい混合物であり水密性に優れている
  • アスファルトモルタルが十分に充填されるように締め固める注意が必要

用途

  • 長寿命を期待したい重交通道路など
  • 耐摩耗性が要求される寒冷地の表層など
  • 水密性、繰返し曲げ耐力が要求される橋面舗装の表層・基層など

ポーラスアスファルト

一般の舗装では、雨水は表面を伝って流れて路肩の排水施設へ排水されます。ポーラスアスファルト舗装は、空隙の多いおこし状のアスファルト混合物(ポーラスアスファルト混合物)を主として車道に用いる排水性舗装と歩道に用いる透水性舗装があります。
排水性舗装は雨水を路面に帯水させることなく排水施設に導き、透水性舗装は路盤から地中に浸透・還元させる舗装です。

ポーラスアスファルト

特徴

  • 水はね・水煙(スモーキング)の防止
  • 雨天時のすべり抵抗性の向上
  • 路面排水施設の負荷軽減
  • 地下水の枯渇防止、植樹の涵養効果
  • 駐車桝の出入りなどタイヤによるねじりが発生する箇所では骨材の飛散の恐れがあるため注意が必要

用途

  • 歩行安全性が望まれる歩道、園路など
  • 交通騒音や水はねが問題となる市街地道路、駐車場など
  • ハイドロプレーン現象を抑えたい高速道路など

大粒径アスファルト混合物

最大粒径が25mm以上の粗骨材を使用し、繊維質補強材の添加によりキメを改良したアスファルト混合物であり、塑性変形抵抗性、摩耗抵抗性に優れた混合物です。
一般的に、基層以下を高締固め型アスファルトフィニッシャにより、10~30cmの厚層で急速施工を行います。

大粒径アスファルト混合物

特徴

  • 骨材のかみ合わせが良く、耐流動、耐摩耗に優れています
  • シックリフト工法により急速施工が可能
  • 繊維質補強材の添加により舗装のキメを改良し、表層にも適用できます

用途

  • 耐流動性、耐摩耗性が要求される重交通道路、高規格幹線道路など
  • 早期交通開放が必要な道路補修工事など

中温化アスファルト混合物

製造時にアスファルトの粘度を一時的(約2時間)に低下させる特殊添加剤を添加することで、温度を約30℃下げて製造・施工できる加熱アスファルト混合物です。
製造時の温度を下げることでCO2の排出量を削減し、また施工の温度を低減しても通常のアスファルト混合物と同等の品質を得られることから、寒冷期の施工性を向上します。

中温化アスファルト混合物

特徴

  • 混合物製造時のCO2排出量を削減
  • 熱劣化の低減による混合物品質の向上
  • 施工完了後の養生時間短縮
  • 寒冷期や橋面舗装などの温度低下が早い場合の施工性の改善

用途

  • 早期交通開放を求められる舗装工事など
  • 厚層施工を伴う舗装工事など
  • 混合物の急激な温度低下が懸念される寒冷期施工、薄層施工、橋面舗装など

ハイブリッド舗装(機能性マスチック舗装)

上部は排水性舗装(ポーラスアスファルト舗装)と同等のキメ深さを持ち、下部は砕石マスチック舗装(SMA)と同等な水密性を持ったアスファルト舗装です。
排水性舗装と比較して骨材飛散抵抗性に優れています。

ハイブリッド舗装(機能性マスチック舗装)

特徴

  • 水はね・水煙(スモーキング)の低減
  • 雨天時のすべり抵抗性の向上
  • 雨天・夜間時の視認性向上
  • 道路交通騒音の低減
  • 耐流動性、耐摩耗性、骨材飛散抵抗性に優れる

用途

  • 耐久性を要求される重交通道路など
  • 雨天時の走行安全性を求められる坂路、市街地道路など
  • 冬期に供用性状の低下が懸念される積雪寒冷地の道路など